宇宙こぼれ話

虎野 第15回 オネアミスの翼

 皆さん、「王立宇宙軍」(サブタイトルは「オネアミスの翼」)というアニメをご存じでしょうか? マニアの中では有名な作品なのでご存じの方もいらっしゃると思います。
 実は私はこれの大ファンです。ついでに言うと、「天空の城ラピュタ」も大ファンです。要は近宇宙ものが好きなのです。
 という一方、深宇宙ものも好きなんです。(「どっちやねん」という声が聞こえてきそうですが。)

 「王立宇宙軍」の主人公は最初、空軍(海軍航空隊)に入りたかったのですがその力が無いことを彼の学校の成績書が教えてくれました(この世界も学力がものをいう世界だったのです。)。
 そこで、同じ空へ向かうことから、人気も無く危険な宇宙軍に仕方なく入ったのですが、あるとき神に仕える女の子が好きになり、その子に良いところを見せたくて、誰もなりたがらない宇宙飛行士になり(その世界では)最初に宇宙に行く人間になったのです。しかも試験飛行をしていないロケットに乗って。
 豚もおだてりゃ木に登る、男も女に惚れれば気が触れる(失礼)の典型のようなストーリーだと思わないで頂きたい。中身は非常に濃いと思います。人間の存在意義、ロケットの打ち上げシーンのリアリティーさ(このシーンは実際の打ち上げに何度も携わった私としては、本当にそう思います。)、珍しい文明観や技術等どれをとっても最高です。
 だまされたと思って見て下さい。もう見た方は、「天空の城ラピュタ」を見て下さい。 えっ、それも見た? じゃあ、昼寝して夢を見て下さい。

 冗談はさておき、このアニメの中では、ロケットの開発の難しさ、宇宙飛行士になることの難しさ、人生を生きることの難しさ、国家への忠誠とは、などの私たちが日頃悩んでいることと同じ次元、且つ、同レベルの疑問を主人公が(あまり格好良くはないですが)解決していきます。
 最初は女の子に良いところを見せるためでしたが、訓練等を通じて国のため、人類のため、と言う一つ上の次元のために自分の人生を使うことにしたのです。
 とここまで書いて、最後に見たのは15年以上も前なので、「だったと思う」というのが正解です。

Wikipedhia『王立宇宙軍 オネアミスの翼』

 もう一つの「天空の城ラピュタ」ですが、こちらは失われた超高度な技術力を誇った大昔の帝国(聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼしたのがこの帝国だそうです。)の末裔(王位継承者の女の子)が、時の政権(どう見ても第一世界大戦前後のドイツ)により無理矢理そのラピュタという空の帝国(既に誰も住んではいない)に向かわせられるという話です。
 ここでも、その女の子を守る男の子や妙に人情味のある海賊(いや、この場合は「空賊」と言うべき)など面白いキャラクターとストーリーが満載です。人生も考えさせられます。面白い奇抜な技術も登場します。

 この二つのアニメに登場する技術の産物は、私たちにも考えつくものだと思います。ですが、常識論では端から対象外にされるような技術です。「そんなのできっこない」と。
 我がコスモテックは、このような技術の産物を作り出し、社会に貢献できると良いなと思います。
 宇宙分野だけに貢献するのではなく、民間分野、もっと大げさに言えば、世界に貢献する技術集団になりたいと思っています。我々の夢はきっと社会のためになると信じています。
 コスモテックを、王立宇宙軍にはできないので、強力技術軍団にしていきます。応援をよろしくお願いいたします。

取締役 虎野吉彦
(2021年5月)

虎野吉彦
執筆者
元顧問虎野吉彦